看護師不足について考える

現在、看護業界では看護師不足という大きな課題に直面している。

厚生労働省からは、2025年には6万~27万の人材が不足すると推計が発表された。特に東京・神奈川・大阪に関しては、需要に対する看護師の数が80%未満になるとされている。
看護師が不足すれば、看護師一人当たりの負担の増加や、看護の質の低下も招くことは必須だ。

この看護師不足の背景には、責任の重さと労働環境の問題が存在している。
医療現場はミスが許されない職場でありながら、看護師は点滴や投薬、日常生活の援助などの業務量が多く、受け持ち患者全てに対応するには膨大な労力と時間が必要になる。

また、ほとんどの看護師は夜勤もこなす必要があり、その点も看護師の負担となっている要因の一つといえるだろう。
単純に生活リズムが狂うというだけの話ではなく、夜間中の患者の急変や緊急入院に対応する必要があるため、心身共に休める時間があまり取れない。その結果体調を崩す看護師も多く、プライベートの充実を考えての退職者も多い。

この問題を解決するには、夜勤手当の充実が方法の一つといえる。しかし、ライフワークバランスに不満を持っている看護師からすれば、簡単にお金で割り切れる話ではないのも事実だ。
夜勤免除や時短勤務対応を含めた勤務形態の見直しや、有給休暇などの休暇をできるだけ取りやすい職場作りも大切になってくるだろう。また、子供を持つ看護師のために、子供の預け先の確保も重要だ。

直接的に人の助けとなる重要で素晴らしい仕事である看護師をこれ以上減らさないためにも、各病院だけでは無く、国をあげて看護師不足問題に対応することが求められている。